いよいよワールド杯イヤーの2022年になりました。
本戦出場に向けて日本代表は最終予選に臨んでいます。
初戦でつまづいてからなんとか持ち直している日本代表ですが、最後までどうなるかわかりませんね。
今回はフットボール批評の中から、「現代サッカーの教科書1」をまとめました!
日本のサッカーと世界のサッカーは「違う競技」
近頃、日本代表選手から「日本のサッカーと世界のサッカーは全く違う」という内容の発言が増えています。
内田篤人元選手の引退会見での発言を始め、酒井高徳選手、オーストリアで指導者として活躍されているラモス雅輝さんが同様の発言をされています。
また、昨年の東京オリンピック後の田中碧選手の発言も注目を集めました。
個人個人でみれば別にやられるシーンというのはない。でも、2対2や3対3になるときに相手はパワーアップする。でも、自分たちは変わらない。コンビネーションという一言で終わるのか、文化なのかそれはわからないが、やっぱりサッカーを知らなすぎるというか。僕らが。彼ら(メキシコ代表)はサッカーを知っているけど、僕らは1対1をし続けている。そこが大きな差なのかな」
下記記事より引用・加筆
日本と世界の差は何なのでしょうか。
日本とドイツの違い
著者の河岸貴(かわぎし・たかし)さんは自身がドイツで得た経験から、日本とドイツのサッカーの違いを見ることで、世界との差が何なのかを示してくださっています。
一言で言うと、その差は
ボールを中心にプレーしているか、いなか
ということになります。
ボールを中心にするドイツに対して、日本のサッカーはゾーン・スペース・人を中心にプレーしているそうです。
この意識の差がどこに現れるのか、日本の何がいけないのか、詳しくみていきます。
ゴールから逆算する
サッカーは90分間でどちらがより多くのゴールを決められるかを競う競技です。
当たり前のことですが、どれだけ良いプレーをしても支配率を上げても点が入らなければ勝てません。
サッカーの目的は相手よりもゴールを決めることです。
では、ゴールを決めるためにはどのようにしたら良いのか
このように目的から手段を逆算することが大切です。
その考え方の差がプレースタイルに表れてきます。
同じ言葉でも意味が変わってくる
例えば、攻めている途中で相手にボールを奪われてしまった時に「切り替え」という言葉が出てきます。
これは「攻めから守備」への切り替えのことですが、この言葉による行動が大きく違います。
日本では、自陣へ帰陣し、スペースを消すことを意味します。
対して、ドイツでは敵陣でボールを奪い切ることを意味します。
この考え方の違いは、切り替えることの目的の違いによるものです。
日本は失点しないために切り替えますが、ドイツはボールを奪い得点するために切り替えるのです。
すぐにボールを奪うことのメリット
ゴールを決めることを目的とすると、相手のゴール付近でボールを奪い、ショートカウンターを仕掛けることでチャンスは広がります。
走行距離を考えても、ボールを取られた直後にプレッシャーをかける方が帰陣するよりも走る距離は短く体力面でも有利に働きます。
帰陣した場合
スペースは消せますが、相手のボール保持時間が長くなります。
また帰陣のために長い距離を走らなければならないため体力も削られてしまいます。
なんとかボールを取り返したとしても、相手ゴールは遥か遠く。相手の帰陣が速かった場合、その守備ブロックを崩すところからのスタートです。
お互いにこのようなプレーをしていては体力が削られるだけで得点も入らず…
Jリーグでは
Jリーグに全く可能性がないかと言うと、そうではないようです。
昨シーズンJ2・2位になった京都サンガFCのサッカーがその一つで、積極的なプレッシングやゴールへ直線的にゴールへ向かうスタイルは「世界基準」に近いものがあるようです。
今季からJ1でどのような活躍が見られるか注目ですね!
まとめ
ドイツのサッカーと日本のサッカーの考え方の違いを中心にまとめました。
ドイツ式のサッカーが日本人や日本代表に適しているのかはわかりません。
しかし、世界との差を埋めるためには、海外の国々やプレイヤーがどのように考えているのかを知ることは大きな手がかりになるはずです。
次号では、ドイツサッカーの根源になる「BoS理論」を取り上げるそうなので楽しみです!
最後までお読みくださりありがとうございました。
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